先日、とあるニュースがTwitterなどのSNSで話題となりました。
「残業好き」の人たちにとって働き方改革とは何なのか?(横山信弘) - Y!ニュース
「働き方改革は、ものすごく矛盾している」
「その通りだ。自由度の高い働き方を、と言いながら、かえって窮屈になっている」
「柔軟性を求めるなら、残業も認めてほしいね。残業代は要らないから」
私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントだ。絶対達成とは、どんなに想定外のことがあっても目標の1%も下回ってはならないという発想である。だから、このフレーズが好きな人たちは、だいたいハードワーカーと決まっている。
そのせいもあって、私の周りには、どうしても「ワーカホリック(仕事中毒)」な人が集まってきてしまう。
そういう人たちの言い分は、だいたい同じだ。働き方改革を否定するわけではない。しかし、多様性の時代と言いながら「労働時間を減らせば、みんなハッピー」的な価値観の押し付けに、「ノー」を突きつけたがっている。
このように切りだし、昨今の残業を削減させようとする風潮に一石を投じています。
それに対し、Twitterでは
Twitterの意見
「残業したい奴なんてごく一部だろ」
「残業してる自分に酔ってるだけ」
など、否定的な意見が数多く見受けられました。
それも当然です。
なぜなら、実際に残業してる人の大半は残業なんてしたくないのに残業せざるをえない状況に追い込まれているのが実情ですから。
「残業が好き」なんていう一部の物好きの意見を一般論にされてはたまったものではありません。
また、上のニュースにも示されているように昨今残業を削減する動きが多くの企業で出ていますが、それでもまだまだ残業は多いと言わざるを得ません。
そこで、残業がなくならない原因を明らかにして、少しでも残業を減らし、苦痛から解放される方法をご紹介します。
目次
1.残業がなくならない原因
そもそも残業がなくならない原因は何なのでしょう?
大きく次の4つが挙げられます。
- 仕事量が多すぎる
- 残業代で稼ぎたい人がいる
- 残業することで認められたい人がいる
- 雰囲気で定時退社しにくい
1-1.仕事量が多すぎる
残業の理由としては最も一般的なのがこれでしょう。
時間に対して仕事量が多すぎる、人手に対して仕事量が多すぎる、などマネジメントの不足により雨のように仕事が降ってくるようなところも多いです。
特に中小企業はこのような事態におちいりやすく、慢性的にこの状態が続くと「ブラック企業」化してしまいます。
仕事がどんどん舞い込んできて、さばいてもさばいても次からどんどん仕事が来るような場合もあります。
しかし、後述のように効率的に仕事をこなすことで残業を減らすことができる場合もあります。
1-2.残業代で稼ぎたい人がいる
残業代が欲しいために自分から進んで残業する人がいるのも残業が減らない理由の一つです。
特にしっかり残業代の出る大手企業ではこのタイプが多くなります。
残業代を目当てに定時まではダラダラと仕事し、定時をすぎてから「よし、そろそろ本気出すか」と気合を入れるような人も。
このタイプの人たちは仕事量を減らしても残業しようとわざわざ調整するのでタチが悪いのです。
上のニュースでみた「残業好き」な人たちがこのタイプですね。
1-3.残業することで認められたい人がいる
また、残業代よりも残業することで周囲から認められたいって思ってる人がいるのも理由の一つ。
「残業してる俺、かっこいい!」
「あー大変だわー、俺めっちゃ大変だわー」
なんてうぬぼれながら残業しているのです。
「忙しい自分」を演出することで周囲に認められたいのですね。
残業することがアイデンティティーになっているので、もうどうしようもありません。
このタイプも上のニュースで見た「残業好き」の典型的な例となります。
1-4.雰囲気で定時退社しにくい
残業代で稼ぎたい人や、残業することで認められたい人は、自分一人だけ残業したいのなら勝手にすれば良い、と思いたいのですがそうもいきません。
なぜなら、こうした人がいるせいで定時になっても退社しにくい雰囲気が出てしまうからです。
一人で残業するならまだしも、周囲にまで「お前も残業しろよ」って雰囲気がにじみ出てしまうと、早く帰りたいこちらとしては迷惑ですね。
特に上司がこのタイプなら最悪です。
「俺が残業してるってのにお前は先に帰るのか?」
「こいつは仕事に対して誠意がないな」
なんてオーラを出している人もいるでしょう。
イジワルな上司だと、帰るタイミングで仕事を振ってくることも。
いずれにしても、残業したい人だけが残業すればいいのに、残業したくない人まで巻き込むのは嫌なものですね。
2.残業を減らす方法
以上の残業の原因を考えると、1つは仕事量が多いから、もう1つは残業する人がいて帰りづらいから、ということが見えてきます。
そこで自分ができる範囲で残業を減らすには、それぞれの原因別に次のような方法があります。
- 仕事の効率を上げて時短を図る
- 定時に帰ることを改めて伝えておく
2-1.仕事の効率を上げて時短を図る
仕事の効率を上げれば、多少仕事量が多くても定時までに仕事を終わらせることができます。
ダラダラ仕事するのを防ぎ、メリハリをつけて集中して取り組めば仕事の効率は上がります。
とはいえ、そう簡単にできるものではありません。
そこで、仕事の効率を上げる方法をご紹介します。
2-1-1.一日を時間ごとに区切って時間管理する
舞い込んできた仕事を片端からダラダラと取り組んだり、マルチタスクであれもこれもと並行しても、仕事の効率は上がりません。
そこでまずは一日を時間ごとに区切り、「この時間はこれだけをやる!」と決めてそれだけに集中してやると良いでしょう。
人間は複数を同時にこなすマルチタスクをこなせるようにできておらず、マルチタスクをしようとすると頭がこんがらがって余計に時間がかかってしまいます。
一つの仕事に集中するシングルタスクの方が効率が良く、仕事を早く終えることができるというのが昨今では常識になりつつあります。
そこでシングルタスクを実現するために、時間ごとにやる仕事を一つに絞るのがいいでしょう。
具体的には時間を3~4つほどに区切り、スケジュール管理表を作成するのがオススメです。
このような表を作成しておくことで、その時間の作業をシングルタスク化し、また時間を見える化することも可能です。
つまりどの仕事がどれだけ遅れているのか、次にどの仕事をすればいいのか、が明確になります。
時間に余裕があれば次の仕事に手を付けるのを早めることもできます。
このようにしておくことで時間を管理しやすくなり、効率のいい仕事が可能となります。
会社に到着したら、まずはその日の仕事を整理し、この表を作成することに着手する癖を付けましょう。
2-1-2.仕事の優先順位を決めておく
このように考える人も多いでしょう。
そこで、納期や作業量、作業の難しさなどを勘案し、仕事の優先順位を決めておくのが重要になります。
そのために仕事を
①重要だが急がない
②重要で急ぐ
③重要でなく急がない
④重要でないが急ぐ
の4つに振り分け、次のグラフに当てはめていきましょう。
普通ならまず②の「重要で急ぐ」仕事を優先しようと考えるでしょう。
しかし実は①の「重要だが急がない」仕事を優先する方が効率が良くなるのです。
何故なら、②の「重要で急ぐ」仕事が後に控えているため、何としても①の「重要だが急がない」仕事を終えなければならない心理に追い込まれるからです。
もちろん、①の「重要だが急がない」仕事をダラダラやって②の「重要で急ぐ」仕事ができなくなった、なんてことになれば本末転倒です。
必ず遅滞のないようにしましょう!
また、③の「重要でなく急がない」仕事は最も優先度が低いように感じられますが、これをほったらかしにしてると納期が直前に迫り、いつの間にか④の「重要でないが急ぐ」仕事に変化してしまいます。
これを避けるために③の「重要でなく急がない」仕事を先延ばしにするのでなく、④の「重要でないが急ぐ」よりも優先することも時には必要です。
ただ、人によっては「追い込まれると焦って集中できない」という人もいるため、万人に当てはまる方法ではありません。
このグラフを活用し、自分なりに効率のいい方法を見つけるのも良いでしょう。
2-1-3.机を整理する
机の上は散らかっていませんか?
もしいろんな書類やファイルが散らかっていると、それらに気を取られて集中できなくなってしまいます。
また、山のような書類やファイルから必要なものを取り出すときも、散らかっていると探すのに苦労します。
きちんと整理しておくとこうした無駄な時間を削減し、気持ちよくスムーズに仕事することができます。
綺麗にしておくだけでも気分がすっきりしてモチベーションも上がるものです。
整理するのも時間はかかりますが、それだけの価値はあります。
是非きれいに整理してみましょう!
2-1-4.早め早めに行動する
始業時間が始まった直後や休憩時間が終わった直後、いざ仕事を始めようとしてもなかなか仕事モードにならずダラダラしていませんか?
仕事のスタートダッシュを切れずダラダラしてしまうのは時間の無駄。
仕事が押して時間内に仕事が終わらず、結局残業に…なんてことにつながってしまいます。
そこで、始業時間のちょっと前、休憩時間が終わるちょっと前に仕事を始めてみるのは一つの有効な手です。
ちょっとだけ早く出社してみる、ちょっとだけ早く休憩を切り上げてみる、そうすることで仕事モードのスイッチに入りやすくなります。
別に難しい仕事から手につける必要はありません。軽めの仕事でいいのです。
そうすると、他の社員が「さあ今から仕事を始めるか―」ってときには既にあなたはバリバリ仕事をこなせるようになります。
これは大きなアドバンテージとなり、仕事を早く進めて時間内に終わらせることも可能となります。
2-2.定時に帰ることを改めて伝えておく
しかし、上のように仕事を効率的にこなし、無事に定時に終わらせることができそうでも、そんなあなたを見た上司が
「おっ、そろそろ暇になりそうだな」
「丁度良かった、じゃあこれも頼むわ」
などと言って追加で仕事をドサッと持ち込んでくるかもしれません。
こうなってしまっては定時で仕事を終わらせる作戦は全て水の泡、結局残業をさせられてしまうことになってしまいます。
また、定時になっても誰も帰る様子がなく、退社しにくい雰囲気に負けてしまうことも。
こうした事態を防ぐために、予め上司や同僚に「今日は定時で上がりますんで」と伝えておきましょう。
堂々と宣言することが大事です。
「家族の介護のため」などと理由を付けておくとなお良いでしょう。
そうすることで退社直前に仕事を持ち込まれても堂々と断ることができます。
何故なら、定時退社していることを伝えているのにそれを前提にマネジメントできない方が悪いのですから。
もちろん、上司や同僚はあまり快く思わないでしょう。
ましてや、毎日定時退社を宣言するのは人間関係の悪化を招くことにもなりかねません。
そのため、週に1~2回程度に留めておいた方が良いかもしれませんね。
3.どうしても残業から逃れられない場合
効率的に仕事をこなして定時までに終わらせた!
上司や同僚に定時退社すると宣言した!
それなのに上司が仕事を持ってきて無理矢理残業させる場合もあります。
そうなると、これはもはや極めて悪質なパワハラだと言っても差し支えないでしょう。
上司に折れてやりたくもない残業を続けていると、あなたの精神が病んでしまうことにもなってしまいます。
そうなる前に、このような残業という名のパワハラから身を守りましょう。
あなたには二つの選択肢があります。
- 異動願いを出す
- 転職する
3-1.異動願いを出す
まずは異動願いを出し、社内で残業の無い部署へ異動してもらうようお願いしてみましょう。
異動願いの出し方は以下の記事をご覧ください。
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3-2.転職する
しかし異動願いで希望した部署に異動してもらえるかは不透明です。
また、会社全体がブラック企業体質の場合、たとえ異動が叶ったところで異動先でも残業を強制させられることになります。
こうなってしまってはその会社で働き続ける意味はありません。
転職することを検討しましょう。
「転職するのは不安がある」
「転職って逃げじゃないの?」
このように考えている方もいらっしゃると思いますが、今は人手不足で転職がしやすくなっており、企業側も転職する人をスキルがあるとして積極的に評価するようになってきています。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
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また、今は転職サイトや転職エージェントなど、優秀で豊富な転職サービスが充実しており、転職しやすい環境が整っています。
これらを利用することであなたに合った働きやすい職場へ転職しやすくなります。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
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このように今は転職しやすい状況となっています。
残業というパワハラを強制させられるくらいなら、残業の無いホワイトな企業へ転職することを考えてみても良いでしょう。
まとめ
以上、残業の発生する理由と残業の減らし方を見てきました。
残業は効率的な仕事をしたり、周りに宣言したりすることで減らすことができるようになる可能性があります。
しかしあなたの一存で残業を避けることができない場合もあるのです。
閑散期と繁忙期があるとか、週に1~2回残業があるとか、そのような場合ならまだいいかもしれません。
しかし残業が慢性的に続き、どうしても避けることができない場合、これはパワハラ、あるいは会社のマネジメント不足と言えます。
こうなると転職することも視野に入れた方が良いでしょう。
まずは自分でできることから、残業が減らせるよう工夫することから始めてみましょう。
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